2016年2月2日

logitechのマウスから謎のイベントが発生してハマった話と暫定的な対策

今にいたるも正確な原因はつかめていないのだが、同じようなハマり方をする人がいるかもしれないのでメモ。

問題


1. 自宅および会社のX環境で、logitech(logicool)の M705, Performance MXを楽しく使っていたのだが、不定期にフォーカスの動き方がおかしくなる現象に見舞われた。

2. 現象が発生するとキーボードのフォーカスはAlt+tabなどで他のwindowに移動できるが、マウスのフォーカスはある1つのwindowに固定されたまま他のwindowに移動できない。

3. マウスの電源オフするかunifiedレシーバを抜くと現象がおさまって普通に動作する。

4. はじめはランダムに発生していたが電源いれるといきなり発生するようになった。

さて、現在のところ原因追及はできていない。だがXよりも下位の、usbhid以下のどこかがおかしいようだ。原因追及は4のほぼ常時発生するようになってから進捗した。

再現&観測手順


1. 他のマウスとM705を2本接続し、M705の電源を一旦切った状態で操作をはじめる

2. xev起動( xev | grep -A3 Button )

3. もうひとつのマウスで xevのwindow上にカーソルを持っていったのちM705の電源を入れると以下のようなイベント表示があらわれる。

ButtonPress event, serial 33, synthetic NO, window 0x3a00001,
    root 0x2da, subw 0x0, time 520218479, (136,90), root:(1337,150),
    state 0x0, button 20, same_screen YES
存在しない20番目のボタンが押されたというイベントだ。そのためこのウィンドウ内でマウスのドラッグがはじまった状態になり、マウスのフォーカスが失われない。(観察した範囲では20番ボタンに限らず2番ボタンなどのイベントも発生する)

なおなんらかの方法(電源offやunified receiverの接続断)で接続を切ると対応するButtonRelease eventが発生してドラッグ状態が解除される。おそらくこれはxinputのどこかの終了処理が行っているのだろう。発生したイベントに対応するボタンがあればそれをクリックすることでもButtonReleaseイベントが発生するので対策になる。

現象が再現している状態でxinputコマンドによりマウスの状態を見ると20番ボタンがdownになっていることでも確認できる。
$ xinput query-state 11
2 classes :
ButtonClass
    button[1]=up
    button[2]=up
    button[3]=up
    button[4]=up
    button[5]=up
    button[6]=up
    button[7]=up
    button[8]=up
    button[9]=up
    button[10]=up
    button[11]=up
    button[12]=up
    button[13]=up
    button[14]=up
    button[15]=up
    button[16]=up
    button[17]=up
    button[18]=up
    button[19]=up
    button[20]=down
    button[21]=up
    button[22]=up
    button[23]=up
    button[24]=up
ValuatorClass Mode=Relative Proximity=In
    valuator[0]=1622
    valuator[1]=1635
    valuator[2]=0
    valuator[3]=-3

暫定的な対策

solaarにより Side Scrolling を有効にすることでこの現象が発生しなくなった。
正直なところ原因をはっきりさせていないので、これで対策になっているのかもわからないのだが、とりあえず動いている。

 暫定的な対策その2(??)

 もろもろ未確認だが、solaarがデバイス検出時行っている初期化処理で何か起きてるような気がする。solaarを全く動作させずに利用していると対策になるかもしれない。

solaarは過去1年くらい平和に動いていたのと、新しく買ったマウスではsolaarで問題が発生しないので、マウスの中の何かしらの状態とsolaarがリバースエンジニアリングして喋ってるlogitech独自プロトコルのあわせ技で問題が発生している可能性が疑われる。。

実験:
  • マウス接続 → solaar起動 → ボタン20down発生 → solaar終了→down継続→マウスoff/on→ボタン20down発生せず
  • solaar起動 → マウス接続 → ボタン20down発生 → マウスoff/on→ボタン20down再度発生

根本的(?)な対策

logicoolのサポートに連絡して押していないボタンについて押したような動作があると相談したところ、故障が疑わしいということで対応していただけました。保証期間内だと相談するといいかもしれません。

 おそらく関連するbugzilla

https://bugs.freedesktop.org/show_bug.cgi?id=77037
closeされちゃってるけどたぶんこの問題と似た話。「xinputで状態確認するとよさそう。俺んとこはドラッグ中のような状態になってた」とコメントを書くためにアカウントを取ろうとしたら失敗したのでメールで申請中……。

0 件のコメント:

コメントを投稿