2014年5月25日

systemd-udevdによるNIC命名とbiosdevnameがまざって混乱する件

最近のsystemd-udevdはlinuxのネットワークインタフェース名を設定します。それにともない特にRHEL界隈でNIC命名規則が複雑になってきたので紹介します。。

問題: linuxカーネルはNICの名前をドライバ初期化順につけるので名前とNICの対応が安定しない。再起動毎に順序がかわる可能性もある。

これに対して過去から最近までいろいろな手法で対策がとられています。

ユーザが明示的に指定する

MAC アドレスなどの識別子とインタフェース名を設定ファイルで明示して指定する。こんなかんじ。
DEVICE=eth1
HWADDR=D4:85:64:01:46:9E
ONBOOT=yes

Predictable Network Interface Name

くわしくはsystemd本家のwikiにみっちり書いてますが、ざっくりまとめるとハードウェアの物理的な位置やバス上のアドレスを根拠にした、安定した名前をつけます。

命名規則: デバイスの種類(Ethernetならen, wirelesslanならwl) + ファームウェアでの場所情報(スロット番号またはPCIバスの番号) [+VF番号など]
例: ens0

Consistent Device Naming by biosdevname

安定した名前づけの仕組みとしては、biosdevnameという別の実装があります。これは最近のFedoraや、RHEL6, 7でDell製ハードウェアの場合に利用されます。
http://linux.dell.com/biosdevname/
SMBIOSというファームウェアの規格で「オンボードの1番」や「拡張カードスロットの2番」のような場所情報を提供し、これを元にNICの名前を作ります。
例: em1

Persistent Net

これらの物理的な位置を利用する命名方法が登場する前から利用されているpersistent-netとよばれる仕組みがあります。
これは一旦linuxカーネルに適当な名前づけをされたあとに(これが物理的な配置とは無関係になっていることには目をつぶり)、次回の起動からは同じNICに同じ名前をつけるようにするため、MACアドレスとインタフェース名の対応づけをudevのルールとして永続化する仕組みです。
この対応づけは/etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules に保存されます。

RHEL7や最近のFedoraでpersistent-netのルール作成はされませんがRHEL6までで作成されたものをアップグレードした場合はひきつづき有効です。

こんがらがるので以下にまとめます。優先順位自体は最近のFedoraのものと同じですが、デフォルトでの有効無効が環境によってバラバラです。

最近のFedora:  ユーザの指定 > persistent-net > biosdevname > systemd > 古典的な名前づけ
RHEL6 on Dell: ユーザの指定 > persistent-net > biosdevname > 古典的な名前づけ
RHEL6 on not Dell: ユーザの指定 > persistent-net > 古典的な名前づけ
RHEL7 on Dell: ユーザの指定 > persistent-net > biosdevname > systemd > 古典的な名前づけ
RHEL7 on not Dell: ユーザの指定 > persistent-net > systemd > 古典的な名前づけ

NIC名前例:

systemd: eno1(ethernetでオンボード1番)
biosdevname: em1 (ethernetでオンボード1番)
古典的な名前づけ: eth0 (最初にeth%d って名前で命名されたNIC)

各自動設定の止め方
systemdのNIC命名: カーネルのコマンドラインに net.ifnames=0
biosdevname: カーネルのコマンドラインに biosdevname=0
persistent-net: /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rulesから該当する行を消す

udevのルールの比較



# 以下RHEL7betaをためした人むけ
RHEL7 public betaを確認するとベンダにかかわらず on Dellのようになっているのですが、RHEL7RCでは上記のように動作が修正されています

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