------------ 基本的なものはナレッジベースにあります:
ナレッジベース「Red Hat Enterprise Linux 延長ライフサイクルサポートアドオン (ELS) と、サポートのライフサイクルは何を示していますか? 」https://access.redhat.com/ja/node/1190613 -- より抜き書き
Red Hat Enterprise Linux 延長ライフサイクルサポートアドオンとは何ですか?
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 延長ライフサイクルサポートアドオン (ELS) は、ライフサイクルの延長を提供するサービスです。これにより、正規のライフサイクルが終了した後も一定期間、Red Hat Enterprise Linux の特定のメジャーバージョンのサポートを継続して受けることができます。Red Hat Enterprise Linux 延長ライフサイクルサポートアドオンは、Red Hat Enterprise Linux 5 では 2020 年 11 月 30 日まで提供されます。
Red Hat Enterprise Linux 延長ライフサイクルサポートアドオンは、どのバージョンで利用できますか?
ELS は、Red Hat Enterprise Linux 4 では 2017 年 3 月 31 日まで、Red Hat Enterprise Linux 5 では サポート終了( 2017 年 3 月 31 日)後から 2020 年 11 月 30 日まで利用できます。
ELS の詳細情報
以下のドキュメントを参照してください。
RHEL Life Cycle page
FAQ: Red Hat Enterprise Linux 4 Extended Life Cycle Support (ELS) Add-On
FAQ: Red Hat Enterprise Linux 4 Reaches End of Production Phase and Transitions to Extended Life Phase
延長ライフサイクルのサポートアドオンのパッケージ化と販売方法
ELS はオプションのアドオンサブスクリプションで、有料サポートを一度に 1 年間延長できます。ELS は、単年サブスクリプションだけが利用できます。 一度に複数年分を購入することはできません。ELS アドオンサブスクリプションを購入する前に、既存の Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションを購入する必要があります。
ELS が有効なリリースをお持ちのお客様に送られるエラータ通知のアーカイブはどこで取得できますか?
RHEL 4: https://rhn.redhat.com/errata/rhel4els-errata.html
RHEL 5: https://rhn.redhat.com/errata/rhel5els-errata.html
将来の通知を選択する方法は?
https://access.redhat.com/site/security/updates/advisory/ で自由に選択できます。
ELS アドオンは、Red Hat KVM、Red Hat Enterprise Virtualization、またはその他の Red Hat でサポートされているハイパーバイザー上で実行している仮想化ゲストに利用できますか?
はい。延長ライフサイクルサポート期間の Red Hat Enterprise Linux はどのバーションも、正規のライフサイクルと ELS に相当する期間中のホストバーションのゲストとしてサポートされます。ゲストに対する ELS アドオンの価格は、インスタンスベースで決められています。
延長ライフサイクルサポートは、延長期間に何を提供しますか?
このサポートをお持ちのお客様は、Red Hat の公式サポートにアクセスし、通常では利用できない、正規のサポート期間後にリリースされた一部の緊急優先度の不具合修正や、重要な影響を与えるセキュリティ修正の配信を利用できます。各メジャーリリースのすべてのパッケージが、上述の重要な修正サポートを受け取れる資格があるわけではありません。 したがって、詳細については、パッケージ除外リストを参照する必要があります。このサービスを購入されないと、以前にリリースされたエラータ、ドキュメント、およびナレッジベースの情報へのアクセスに限定されます。
除外されるパッケージの詳細については、http://www.redhat.com/rhel/server/extended_lifecycle_support/exclusions/ の一覧を参照してください。
RHEL 5については除外リストではなくinclusion listが公開されました https://access.redhat.com/articles/2901071 (※ 2017-03-29追記)
通常、どのようなコンポーネントまたはパッケージがこのサポート提供に含まれませんか?
デスクトップアプリケーション、Extras チャンネルのコンテンツや、Red Hat Directory Server、Red Hat Satellite、または JBoss Enterprise Middleware などの異なるサブスクリプションの対象である製品は、Red Hat Enterprise Linux ELS の対象外になります。Red Hat Enterprise Linux 4 の場合は、Red Hat Cluster Suite と Global File System が対象外となります。Red Hat には、追加パッケージを除外する権利があります。
RHEL バージョンから別の RHEL バージョンに ELS サブスクリプションを移行することはできますか?
はい。ELS サブスクリプションはバージョン固有のものではありません。
Red Hat ライフサイクルポリシーと、このサービスとの関連性については、どのドキュメントを参照できますか?
詳細については、http://www.redhat.com/security/updates/errata を参照してください。
Extended Life Cycle Phase と Extended Life Cycle Support アドオンとの違いは?
Extended Life Cycle Phase (ELP) は、正規のサポート期間が終了した後の期間を指しています。お客様が正規のサポート期間が終了した後も Red Hat Enterprise Linux 製品を引き続き使用する場合にその利点を享受するには、有効なサブスクリプションが必要となります。
サブスクリプションを購入せずに Red Hat Enterprise Linux 3 を実行できますか?
はい。Red Hat Enterprise Agreement の契約内容により、製品がライフサイクルのどの時期であるかに関わらず、Red Hat Enterprise Linux がインストールされ、実行しているすべてのシステムにはサブスクリプションが必要となります。この要件については常にアグリーメントに含まれていましたが、RHEL 3 に関しては表現に一貫性がありませんでした。したがって、Red Hat は、このポリシーから Red Hat Enterprise Linux 3 を除外しました。ただし、Red Hat Enterprise Linux がインストールされ、実行しているすべてのシステムにサブスクリプションの購入を求める要件については、Red Hat Enterprise Linux 4 と以降のすべてのリリースに適用されます。
------------ 以下は私の作文
Q: RHEL5の通常サポートが2017年3月31日に終了することはいつ決まったのかおしえてください
A: RHEL5は2007年に7年間のライフサイクルを定義してリリースされました。その時点では2014年3月31日までの通常サポートが予定されていました。
その後2012年に通常ライフサイクルが7年から10年に延長され2017年3月31日にて通常サポートが終了するように変更されました。
最新のライフサイクルについては以下をご確認ください。
Q: 現在あるRHEL4を2017年3月31日より後もそのまま利用を継続できますか?
A: 利用すること自体は可能です。ただし以下の点にご注意ください。
- 修正の提供が行われないソフトウェアを利用することはセキュリティ上・運用上の大きな問題となります。ソフトウェアに問題が発見されても一切修正は提供されませんので、何かソフトウェアの修正が必要な問題が発生した場合には多くの場合現実的な対策がありません。
- ひきつづきサブスクリプションのご購入が必要である点をご注意ください。
Q: ELSを購入せずに現在あるRHEL5を2017年3月31日より後もそのまま利用を継続できますか?
A: 利用すること自体は可能です。ただし以下の点にご注意ください。
- 修正の提供が行われないソフトウェアを利用することはセキュリティ上・運用上の大きな問題となります。ソフトウェアに問題が発見されても一切修正は提供されませんので、何かソフトウェアの修正が必要な問題が発生した場合には多くの場合現実的な対策がありません。
- ひきつづきサブスクリプションのご購入が必要である点をご注意ください。
Q: ELSを購入せずに現在あるRHEL5をそのまま利用して2017年3月31日になるとどうなりますか?
A: お客様の手元では特に何もイベントは起きません。新規に修正が提供されないだけで、現在ご利用のシステムをそのまま利用しつづけるすること自体は可能です。
Q: RHEL5のELSを利用するにはどうしたらいいですか?
A: ELSを利用する具体的な手順については、提供前で未確定につき正確な回答ができません。
おおまかな手順については以下のとおりとなります。
1. subscription-manager list --availableコマンドで、利用可能な製品一覧を確認する。ELSが含まれるサブスクリプションのPool IDを確認する。
2. subscription-manager attach --pool=<2で確認したID> としてサブスクリプションとシステムを対応づける。
3. subscription-manager repos で利用可能なリポジトリ一覧を確認する。この中でELSのパッケージを含むリポジトリ名を確認する。
4. subscription-manager repos --enable="3で確認したリポジトリ名" としてyum リポジトリを有効化する。
ELS提供後に実際に操作する際にはサポートにてご対応可能です。
Q: RHEL5むけELSでサポートされる範囲を教えてください
A: ELSでは特定のアーキテクチャおよびパッケージがサポート範囲から除外されますが、具体的な内容は現時点では未定です。特定のパッケージやアーキテクチャについてELSでのサポート対象としてほしいというご希望があればサポート窓口までおしらせください。
Q: 私はRHEL5.{0〜10}を使っています。RHEL5のELSの対象が5.11だけだと聞きました。5.11にアップデートしない場合には何が起きますか?
A: お客様の手元では特に何もイベントは起きません。RHEL5についてのあらゆる修正は、現在すでにRHEL5.11むけにのみ提供されています。ELSでもその状態が継続します。レッドハットはお客様に最新のマイナーリリースへのアップデートをお勧めいたします。
例としてRHEL5.6で構築されたシステムがあり、2016年9月28日にRHEL5に対して提供された bind の脆弱性への対応 RHSA-2016:1944-1 (https://rhn.redhat.com/errata/RHSA-2016-1944.html) を適用する場合を考えます。
この場合、提供されたパッケージ bind-9.3.6-25.P1.el5_11.9.i386.rpm は、RHEL5.6時点のbindパッケージではなく RHEL5.11までbindパッケージに行われた全ての修正を累積したパッケージを元にして作成されています。
RHELの過去のマイナーリリースに対してのサポートポリシーについては、ナレッジベース「RHEL の特定リリースに関するサポート状況」 https://access.redhat.com/ja/articles/2710221 をご確認ください。
Q: 私はRHEL5.{0〜10}を使っています。どのような場合でも一切マイナーリリースを変更できません。ELSを買って意味がありますか?
お客様のシステムによっては「RHEL5.6提供からRHEL5.7が出るより前の期間に提供されたパッケージしか利用してはいけない。5.7以降で導入された機能拡張や修正は一切導入できない」というような制限があるかもしれません。このような場合にはELSで提供される修正は全て最新のパッケージ(RHEL5.11)を対象としたものですので、ELS add-onをご購入されても提供パッケージという点では特にメリットはございません。
サポート窓口での根本原因調査の可否について、サービス内容の違いが存在します。
Q: RHEL5.{0〜10}を使っています。ELS利用時に5.11へのアップデートによってアプリケーションの動作に影響が出ないよう努力しているという件について文章化されたものはありますか。
A:
ELSに限らずレッドハットではマイナーバージョンアップによって互換性を壊さないことを非常に高い優先度の目標としております。過去のバージョンで動作したアプリケーションが更新により動作しなくなる場合にはリグレッションとよばれるバグとして扱われます。
互換性維持のポリシー文書が以下から辿れます.
少し古いですが以下に上ページの和訳もあります。
マイナーバージョン間で互換性を維持するという内容は以下の部分です。
-----------------------------------------------------------
Compatibility Within A Major Release
One of the core goals of the Red Hat Enterprise Linux family of
products is to provide a stable, consistent runtime environment for
thirdparty applications. To support this goal, Red Hat seeks to
preserve application binary compatibility, configuration file
compatibility, and data file compatibility for all package updates
issued within a major release. For example, a package update from Red
Hat Enterprise Linux 6.1 to Red Hat Enterprise Linux 6.2, or a package
update that fixes an identified security vulnerability, should not
break the functionality of deployed applications as long as they
adhere to standard Application Binary Interfaces (ABIs).
-----------------------------------------------------------
Q: RHEL for SAP HANAには通常型番のELSが利用できますか?
A: RHEL for SAP HANAには RHEL6と7ベースのものしかないので現在のところELSやそのSAP HANA版は存在していません。
Q: RHEL for SAP Applicationsには通常型番のELSが利用できますか?
A: RHEL for SAPにはELSは存在していません。
Q: RHEL for HPC, RHEL WorkstationにELSはありますか?
A: RHEL Server以外にはELSは提供されません
Q: RHEL 4 や RHEL 5 を使っていく上でELS以外に気にするべきことがありますか?
A: はい、あります。現在up2dateやyumで更新をおこなうために利用されているRed Hat Network Classic のサービス終了が2017年7月31日に近づいています。
RHEL4には(Red Hat Satellite 5を購入する以外に)対応できる方法がありません。RHEL5ではRed Hat Subscription Management(RHSM)とよばれる新しい方式で登録しなおすことで、引き続きyumをつかった更新が可能になります。RHSMを利用することができるのはRHEL5.7以降のバージョンです。
RHN ClassicからRHSMへの移行については以下をご確認ください。
- Red Hat Network クラシック (ホスト型) の Red Hat サブスクリプション管理への移行 http://red.ht/2agx5BP
- Red Hat Subscription Management の概要 http://red.ht/2b6p0oB
Q: 過去にRHEL4のELSで修正された重大なセキュリティ上の問題の実績をおしえてください
A:
Q: RHEL4やRHEL5からRHEL7への更新方法をおしえてください
A: まず、レッドハットからサポートされるアップグレード方法は存在しません。メジャーバージョン間のin-place upgradeは「RHEL6からRHEL7」という組み合わせで初めてサポートされました。
基本的な方針としては、現行のRHEL4やRHEL5のシステムと同等のシステムを別にRHEL7(または他社製品やサービス)をベースとして作成し、現行のシステムから新しいシステムに移行することをお勧めします。
Q: RHEL4やRHEL5からRHEL7の更新差分をおしえてください
A: 各種資料がございます。
- 必要リソースの制限・上限についての比較表 http://red.ht/1FTcW20
- 4→5の差分 http://red.ht/2dnGDRN
- 5→6の差分 http://red.ht/2dnF0DF
- 6→7の差分 http://red.ht/1H4civp
- 5→7の大きな差分のナレッジ(要サブスクリプション) http://red.ht/2czp1kG
Q: Java6(RHバンドルのもの)を利用しているが、ELSの範囲にJavaも入るのでしょうか?
A: OpenJDKのサポート期間は通常のパッケージとことなり個別に設定されています(OpenJDKのみで他のソフトウェアにはこのような例外はないです)
をごらんください。OpenJDK 6 (1.6)のサポートは December 2016 で終了します。
ELSにOpenJDK7はふくまれるかと思われます(制限が明確になっていませんが過去の事例から推定しています)。しかしOpenJDK 6については上記のとおり今年の年末でサポートが終了しますのでELSで新規の修正が提供されることはありません。